フランス語が由来の「テロワール」という言葉は、広く知られていますが、あまり理解されていないワインの概念でもあります。

テロワールは、土壌や地形、気候の特徴などが作物に与える「生育環境」のことを表します。

しかし、生産物の特徴にテロワールがどれほど影響するかは議論の余地があり、これが物議を醸すテーマとなっています。

テロワールの主な構成要素は、土壌、気候、そして地形です。

これら3つの要素の相互作用は無限であり、ブドウ栽培地の独自性を生み出すテロワールの基盤となります。

この概念を説明するためによく用いられる方法があります。ブドウ生産者が異なる区画の土地で同じブドウ品種を栽培し、まったく同じ方法でワインをつくりますが、各区画のテロワールの違いによりかなり異なるワインができあがります。

一部の専門家によると、テロワールの様々な特徴(土壌成分、土壌の質、標高、風や日光の当たり具合、湿度レベル、野生の動植物、気温など)は、他では再現できない独特の特徴をワインに与えます。

その一方では、技術の進歩や新たな手法によって、テロワール同様の効果を生み出すことができると信じる人も現れるようになりました。

テロワールと技術

「技術」はブドウ畑とワイナリーの両方でワイン製造プロセスに深く関わっています。

近代のワイン産業は大きく進歩しており、ワインは厳しい品質基準を満たすように細心の注意を払い製造されています。

技術の進歩によりワインへのテロワールの影響が弱まると懸念される一方で、テロワールがワインに与える真の違いをさらに明確にするためにも最新技術を使用できる可能性があります。